関西電力・黒部川第四ダム 骨材運搬 ベルトコンベヤ設備
黒部第四水力発電所は関西電力(株)が1956年に人跡未踏の地、中部山岳国立公園北アルプスの秘境黒部峡谷に、総額費560億円でその社運を賭して着工。大町トンネル80mにおよぶ大破砕帯ダム地点を襲った7号台風,地下発電所の高熱、高湿などの悪条件を克服して1963年6月に完成したものです。

納入先 | 事業所名 | 設備件名 | 主仕様 | |
関西電力㈱ | 黒部川第四水力発電所 | 骨材運搬用ベルトコンベヤ×23台 | 総機長 | 6.1km |
最大能力 | 700t/h | |||
最大ベルト幅 | 1600mm | |||
総土量 | 450万t | |||
運搬物 | 骨材 |
発電所は最大出力258,000kW、ダムは堤高192.4m、堤体積1,250,000立方メートルの当時我国最大、世界第2位のアーチ式コンクリートダムです。 本工事ダム仮設備中の総長6.4kmにおよぶ骨材運搬用の長距離ベルトコンベヤ設備は能力700t/h扇沢貯蔵所関係におよびリスクリーンよりバッチャプラント供給のコンベヤも含め計23台、このうちNo.5およびNo.6コンベヤは機長1,580m, 1,920mでNo.4コンベヤとともに220kW、75kWの2台の電動機による”ツーモータドライブ”方式を採用、総動力約2,000kWの画期的、記録的な長距離ベルトコンベヤ設備で、工事完了までに450万tの骨材を運搬し、なお、ベルトをはじめほとんど新品同様で、三菱セメントその他に転用されています。


高瀬川骨材プラントから扇沢骨材中間貯蔵所まで20t級ダンプトラックにより運搬されてきた製品のうち粗骨材は粒度別に屋外に、細骨材は屋根つき木製ストックビンにいずれも約3日分貯蔵され、骨材それぞれの引出コンベヤによって引出されて、大町トンネル内設置の長距離ベルトコンベヤでダム地点リスクリーンプラントまで時差輸送され、更にバッチャプラントに供給されます。そして広範囲にわたり点在する多数の電動機の遠隔制御のためには無接点継電器(ロジット)を使用した最新の制御方式が採用されています。